Endless SHOCK-Eternal-演出意図まとめ

2020年にコロナ禍に対応する形で制作された、「Endless SHOCK-Eternal-」ですが、公演のたびに成長していき、スピンオフと呼ぶにはもったいない、1つの作品としての様相を帯びてきました。

今回は、そんな「Endless SHOCK-Eternal-」に込められた光一さんの演出意図をまとめていこうと思います。

Eternalは本編の3年後という設定のスピンオフではございますが、本編の理解に役立つ内容が盛りだくさんですので、本編のみ観劇される方も、ぜひ最後までチェックしてみてください。

本編を含めたあらすじや時系列、裏設定などを知りたい方はこちら。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その1

本編のOvertureは、開演3分前からスタートし、客電が落ちていくタイミングで、開演定時になります。

EternalのOvertureは、定時にスタートします。そもそもOvertureは、海外では、お客様が定時に席に座らない傾向があり、「はーーい、はじまるよーー。座ってねーーー。」という意味合いがあったりするものです。

(その2が抜けておった笑、として)Overtureのクレジット作曲家多すぎ!年月と共に、多くの人が支えて下さった結果です。

堂本光一さんInstagramより

コロナ禍という事で、公演時間の制約などもありましたからね。海外などでは合図の意味合いもあるようですが、日本では皆さん座られているので、その意味合いが薄いと以前にも仰っていました。特にKinKiKidsのファンは、入るの早いですからね。

Overtureがないミュージカルもあるみたいですが、SHOCKの世界に引き込むために必要という判断なんですかね。Eternalでは、定時からOvertureが始まるという構成にされたようです。

作曲家多すぎ!とのことですが、20年以上続く舞台ですからね。色んな人が関わってくださっているんだという歴史を感じます。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その2

本編の大桜ラストでは、コウイチだけが消えてしまうが、Eternalの大桜オープニングでは、周りが消えて、コウイチだけが残る。

堂本光一さんInstagramより

本編では、亡くなったコウイチだけがいなくなって、未来へ踏み出すカンパニーと共に、お客さんも未来を見つめられるような構成になっていますが、Eternalでは、カンパニーの皆は未来に向かって歩き出したのでその場から立ち去り、コウイチだけが大桜の前に取り残されます。

私たちもコウイチと共に、大桜の前に取り残され、Eternalの物語はそこからスタートします。

大桜のシーン以外にも、『SOLITARY』では一人ずつコウイチから離れていく。

『Higher』では一人また一人とコウイチのもとに集まってくる。

というような、カンパニーとの距離感も、注目ポイントですよね。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その3

浮く車は2021の時点で、新車になる予定でしたが、コロナ禍により2021のEternalでは、演出的にカットしたので、今年、初お目見えです。

あの車のエンジン等は、抜いて軽量化。かわりに反重力装置を搭載。間違いなく車検は通りません。

誰か発明してください。

堂本光一さんInstagramより

あの車、初お目見えだったんですね。これは本当に1ミリも知らなかったです(笑)その状態で、車検は通りませんね(笑)

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その4

『Yes, My Dream』のあとの芝居で、アンサンブルの方の台詞がありますが、何気にリアルな事を語っています。

作品におけるクオリティは、アンサンブルの皆様の力で輝くもの。ステージに出ていない場面でも、影コーラス等、大活躍です。

尊敬と感謝。

堂本光一さんInstagramより

「シェイクスピアだと私たちの出番なくなっちゃうかな?」とか「また、オーディション受けなきゃ…」みたいなこと言っていますよね。

このシーン、Endless SHOCKという華やかな世界に在って、急に現実で、個人的には結構好きなシーンです。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その5

屋上のシーン

Eternalでは、リカさんは本編の公園のシーンの服を着ています。本編公園のシーンでのリカさんは、皆とお出掛けではあるが、コウイチとデート気分でいるので、少しお洒落をしています。

コウイチを感じられる屋上では、デート気分だったあの頃、カンパニーが1番良い状態だったあの頃と、同じ服で、お洒落をしていたのでしょうね。

ちなみに、コウイチは、貰ったネックレスは皆からではなく、リカからのものだと、本編の時点で気づいています。何故ずっと、身につけていたのか。それは、、、、

愛じゃ恋じゃという、単純な事だけではありません。彼は、望んでソリタリーになったのではなく、ならざるを得なかった。

しかし、彼も人間。孤独への不安など、人として、誰しもが抱く感情。複雑に絡んでいます。

堂本光一さんInstagramより

リカさん、可愛いんですよね~。リカはめっちゃ少女なんですよ。可愛い。もう、私、リカにキュンキュンしちゃいます。(え?)

屋上のシーンで、空に向かって「答えてよ!コウイチ!」って叫んでるのとか、めっちゃ切ないですよね。届かないって分かってても叫びたくもなるっていう。

でもコウイチ隣にいるから。届いちゃってるからさ。届いちゃってるコウイチが、でも、何も言えないまま、伸ばした手を引っ込めるのとか、本当に切ないんですよね。届いちゃってるからこそ、余計に切ないんですよ。あのシーンは。

それにしても、光一さんは、こんなにも乙女心の機微を理解していながら、なぜ、F1の開始に間に合うために「はよ、降りろや」と、若かりし頃、彼女さんに言ってしまったのか…。こんなにも、女心を理解しているというのに…。

ネックレスはリカからだと気付いているということですが、本編のコウイチはリカの気持ちに気付いていて、あえてかわしてるところありますからね。ここで「愛じゃ恋じゃだけじゃねぇ」と釘を刺してくる光一さん、好きですよ。

個人的な解釈ですけど、あのネックレスって、コウイチとこの世を繋いでいたみたいなところありますよね。

コウイチって結構自分の命のこと軽く見てるというか、自分はどうなってもいいそれでカンパニーのみんなが前に進めるならってところあるじゃないですか。そのためなら死んでもいいくらいの。

だからこそ、ジャパネスクで模造刀が本物だと分かった時に、ショウリにそれを持たせるんですよね。一見、よく分かんない行動ですけど。

そんな、ともすれば命を投げ出してしまいそうなコウイチを、この世に繋ぎとめていたのはリカだし、あのネックレスだなって個人的には感じています。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その6

大劇場でのSHOWのシーン

ショウリの曲は、新曲です。周りが段々とフリーズし、ショウリの心の内を吐露する芝居歌を入れ込みました。本編でナオキと出会い、ショウリは「あんな奴入れなくたって」と言いますが、コウイチは彼のソロにナオキを入れ込みます。曲自体も、ショウリがやりたいと思っている方向性ではありません。

実際に、デモを勝利に聞かせた時、彼自身もこの曲に戸惑っていたのが、リアルと交錯して、面白かったです。きっと、今まで、勝利として表現してきたイメージの中には無かったのでしょう。

だからこそ!なのよ!ライバル役があの曲(芝居歌も含め)をやると、絶対に良いものになる確信が、自分にはありました。

俺もあの曲やりたい!笑

堂本光一さんInstagramより

ショウリの曲、いいですよね。4月に観に行った時は、別に下手とかではないけど、なんかグルーブが腹落ちしてない感じがあったんですけど、5月に観に行った時は、めちゃくちゃショウリの歌になっていました。

この曲だけじゃなくて、5月に観に行った時は、独白のシーンとかも、なんか引くのがめっちゃ上手くなっていて。引くのが上手くなってるから、ぶつかるのがよりぶつかって感じて、緩急がめっちゃ効いていたと個人的には感じました。

この新曲も、このシーンのひずみを表していて、いいなぁと思って。コウイチは、ショウリとナオキのコンビに可能性を感じているけど、ショウリは反発していて、良い感じに歯車が嚙み合わないシーンじゃないですか。ショウリからしたら鬱憤が溜まっていく。

この曲ショウリが本当良くて。

この後が『SOLITARY』っていうコウイチの曲なんですけど、5月に観に行った時、本気で「え、この後のコウイチ大丈夫?ショウリ輝きすぎてて霞んじゃわない?」って光一さんのファンなのに、本気で心配するくらい、めちゃくちゃよかったです。(安心してください。コウイチは無事光り輝いていました。)

光一さんもあの曲やりたいとのことで、是非に。またアルバム出す時にでも歌ってください。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その7

大劇場でのSHOWの後、皆が、あの時こう思っていたと語っていきますが、コウイチだけは、3年前の台詞しか言いません。

皆の記憶にあるコウイチの言葉で、3年前よりも、かなり強く聞こえるように言っています。それが、当時の混乱によって生まれた、皆の記憶の中のコウイチの姿なのです。

その後、オーナーがショウリに、「大丈夫?」と声をかけ、ショウリは「すみません」と答えますが、これは本編でのオーナーとコウイチの会話と重なります。

堂本光一さんInstagramより

Eternalは、要所要所で、コウイチだけが3年前のままという、止まった時間を彷徨うコウイチが描かれるので、そのたびに光一さんファンとしては、「あ”ー!コウイチ”ー!あなたはもう、この世には、いない、の、ね…。」と胸が締め付けられます。

本編では、コウイチ全然怒鳴ってないんですよ。これは多分、光一さんも制作発表の時に仰っていたように、前作のタツヤの時のようにぶつかったら、年齢差も相まって、コウイチのあたりがめちゃくちゃ強く感じちゃうから。それで、かみ殺すような「お前はもうステージに立つな…ッ!」になったと思うんですよね。

それがEternalでは、もう、喉がはち切れそうなくらい叫んでるんですよ。めちゃくちゃ強く。

「大丈夫?」「すみません」という元々はコウイチとオーナーとのやり取りが、ショウリとオーナーに置き換わっているのも、3年後の世界では、ショウリがコウイチの立場にあるということを暗示しているようで、光一さんのファンとしては、切なさと虚しさでない交ぜではありますが!

あの時の皆の気持ちにスポットが当たっているSHOCKファンとしてはすごく面白くて、貴重なシーンなんですよね。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その8

ジャパネスクの途中

竹筒で飲んでいるものは、景気付けの日本酒、という、もちろん設定です。

コウイチが刺された時、アンダースコアで大桜のメロディが聴こえてきます。最後、天に向かって手を伸ばしますが、何も掴めないまま意識を失います。

大桜では、コウイチは伸ばした手に何かを掴みます。Eternalオープニングは、そこからスタートします。

堂本光一さんInstagramより

今、ちょっと、階段落ちのシーンを回想したんですけれども、たしかに悲壮感漂う迫力音源の下に、どことなく桜の風を感じました。(テキトー言うな)

階段落ちて必死に手を伸ばすのに、何も掴めずに倒れるコウイチのあの表情、今、思い出しちゃったから、今日、夢に出てきそう…。(お化けみたいなテンションで推しの話をしています。)

まぁ、亡くなった後にはなりますけど、大桜のシーンで掴めて良かったですよね。だってそれが、コウイチが、文字通り、死んでも手にしたかったものなんですから。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その9

『Dead or Alive』

振り付けはTravis Payn。自分で自分の首を絞めたり、自分の身体を引っ掻くような表現が、振りに入っています。最高の振り付けです。

アウトロから心電図音が聞こえ、停止するロングトーンになりますが、そのロングトーンが次の曲の『Don’t Look Back』のストリングスと同じ音階にしており、クロスします。

本編ではシーンが離れていますが、シェイクスピアの後にストリングスのロングトーンが聴こえてくるのは、同様に、停止したことを表しています。

要するに『Don’t Look Back』のイントロが、心停止を表現しています。

堂本光一さんInstagramより

『Dead or Alive』良いですよね~。Travisの振り付けは難しいけど、Endless SHOCKの世界観を作り上げるのに間違いなく必要な要素です。

あと、初見の時に、本編ですけど、あまり情報を入れずに観たら、この『Don’t Look Back』の心停止の音で、「え、コウイチ死んだの?え?2幕始まったばっかだけど…。え?死んだの?まさかもう出てこないの…?え?」ってなった記憶があります。ちゃんと死んでましたね。

この曲は個人的に、光一さんのズボンが破けた印象が強すぎて、それを思い出して、ちょっとよくないモードに入ってしまう時があります。

本当にごめんなさい。せっかくめちゃくちゃカッコイイ曲なんですけど。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その10

オーナーとリカの新曲

メロディのベースは、最後のショーの「マスク」です。

最後のショーでは歌詞が逆再生になっています。多少違う部分もありますが、Eternalではオーナーが、逆再生を元に戻した歌詞を歌っています。

リカの歌詞とメロディは「マスク」にあるスコアを生かしつつ、新規に作りました。

二人共コウイチへの想いが薄れていかないよう、時間を戻して欲しいという思いや、祈りに近い願いを込めたものになっております。

ちなみに最後のショー、この曲で使っている扇子の振りは、皆時計と逆に回しており、同様の願いを見た目で表現しています。全員が願いを込め、コウイチが具現化されているのです。

堂本光一さんInstagramより

そういえば、Eternalでは、オーナーとリカの新曲もありましたね。本当にコロナ禍で、おそらく急ごしらえのEternalだったかと思いますが、梅芸で観た時の「本人と鑑賞会してるみたい~」っていう軽いノリから、めちゃくちゃ作品としての完成度が上がったなぁ…と。

こんなこと言ったら光一さんは嫌がるかもしれないですけど、光一さん、まぁまぁロマンチストですよね?

これはもう、私がひねくれているだけの可能性が全然ありますけど、願ったら具現化されるとか、想えば心にいるとか、どうです?思えます?(人を巻き込むな)

いや、私もそこまでアホじゃないんで、頭では理解してるし、そうであってほしいとも思うんですけど、実際問題、そこを強く信じ抜くって、多分自分にはできないかなって気がしちゃうんですよね。

まぁ、実際の自分ではできないことをやっているっていうのが、人がフィクションを作る意味だとも、見る意味だとも思うんで、全然、むしろいいんですけど。

もし自分が作る立場だったとして、「願えばいるよね」って多分恥ずかしくて描けない気がするんですよね。

このピュアな感情をそのまま描ける堂本光一、めちゃくちゃかっこいいなって思います。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その11

『New York Dream』

本編ではオーナーとコウイチが歌い踊り、リカは真実を知っている為複雑で、一緒に歌うことができません。

一方、その後ろに見える大劇場では、ショウリが精神的に追い詰められながら、同様の曲を同じ時間軸でやっています。

Eternalでは、リカの理想の世界として描かれています。

この曲をカンパニー皆でやるのは、Eternalならでは。本編よりも楽しく華やかに。

逆に悲しく切ないシーンです。

リカだけではなく、全員の理想だったでしょうね。

堂本光一さんInstagramより

Eternal全体が、カンパニーメンバーの現実的な視点で構成されているので、この『New York Dream』と、この後に続く、演出変更後の『Higher』がある意味、現実を生きているカンパニーの理想というか夢想というか、唯一のファンタジー要素ですよね。

ただそれが、「悲しい時ほど楽しい歌歌うんだよ!その方が余計に悲しいんだよ!」という、生前のジャニーさんの言葉通りになっています。

「なんでそんなに楽しそうなんだよおおおお””!そんな未来を!俺たちは描けたんじゃねぇのかよおおおお”お”!!!!!!!」という気持ちになります。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その12

お伝えの通り『Higher』の演出を変えました。これまでは3年前のシーンを振り返っているだけでしたが、変更後は3年前から3年後にクロスしていきます。

ショウリがオーナーの劇場に戻り、3年間皆でShowを続けているという背景がありますが、それを明確化させた形です。

ショウリは心の中で、ずっとコウイチと踊っているのです。

曲の最後で勝利の周りに皆が集まり、ショウリを讃えます。

その背後には3年前とは逆に、コウイチは一人でその曲を終えます。

ショウリの周りに人が集まるほど、コウイチの元から離れていくほど、多くのことを乗り越え、カンパニーは前に進んでいることであり、幻影となったコウイチにとっては、それが願いであり、喜びのはずです。

本編の時から個ではなく、カンパニーの成功をコウイチは望んでいましたからね!

堂本光一さんInstagramより

前述のジャニーさんの言葉通りの演出。そして、勝利くんの方にも書きましたが、光一さんファンからすると、絶望的に悲しい演出

ただし、SHOCKファンとしては、これ以上ない面白い演出に変わっていました。皆さんは、どっちが勝ちました?

私は、観劇中は、もう絶句…。なんも言えねぇ…。コウイチの亡霊になってた。私が亡霊になって彷徨いそうな勢い。

でも、帰る時に電車で反芻しながらTwitterとか呟いてたら、よくよく考えてあの演出めっちゃ面白い!ってなりましたね。

SHOCKを最後に観たのが5月半ばくらいで、その後、KinKiKidsの25周年でファンもいろいろ忙しかったので、SHOCKには触れずに過ごしてたんですけど、夏の24451京セラからの帰りに、新幹線で急にSHOCKのこと思い出してしまって。

なんかその時、「巻き戻しはいつに巻き戻ったのか?」みたいなことを新幹線の中でずっと考えていたんですよ。(何してるんだろうね?)

それで、「え、待って。コウイチって、一体どれほどの時間を独りで彷徨っていたの…。Eternalって、そういうことよね…?」みたいな気持ちになって、泣いたもんね。新幹線で。(いや、本当なにやってるんだろうね?)

いや、でも、それくらい、この「Higher」の演出変更は、Eternalの作品としての面白さを爆発させた反面、光一さんファンにトラウマに近いレベルの悲しみも植え付けました。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その13

『Higher』の後

3年後、墓参りの準備をしているカンパニーの会話になります。ここでの会話のポイントは、「ショウリを筆頭に3年間皆がオーナーの劇場に戻り、SHOWをしていた事」「先頭に立ったショウリが、コウイチの立場を理解した事」「そして3年前、あの時コウイチは、共にステージに立っていたのかどうか?」

想い続けている限りは、ずっとそばにいる。

会話は明るく、その中に寂しさを感じさせるものになっています。実はこのシーン、ジャニーさんの火葬場での雰囲気を思い返しながら作りました。

堂本光一さんInstagramより

ジャニーさんの火葬場での雰囲気を思い返して」というのが、なんとも光一さんですよね。SHOCK劇中に「ボロボロになる。でもその分だけ輝けるんだよ!」みたいな台詞あるじゃないですか。

もう、あれだよね。

いや、でも本当に実際問題、さっきも書いたけど、光一さんが「想い続けている限りは、ずっとそばにいる。」とEternalでピュアに描けたのは、多分ジャニーさんのことがあったからだと思うんですよね。だから、やっぱ、もう、あれだよね。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その14

ラストのSHOWに関し、やはりそこにコウイチはいたのか、いなかったのか。

何度も書いたように、思い続けていればそばにいる。カンパニーはその思いの中、絶対に、このSHOWを成功させようと、ステージに立っています。

『夜の海』の中にあるショウリの台詞

「コウイチは自分が消えることを知りながらも、走り続けている」

Show Must Go Onの意味とは?生きていればその先にある何かを求めて、何かを掴み取る為に走り続ける意味があります。消えてゆく者にとって、その先にある掴むべきものは?掴めたところで、、、

コウイチにとってもカンパニーの皆にとっても、Show Must Go Onという言葉すらも超えた思いが、そこには生まれています。

堂本光一さんInstagramより

コウイチは自分が消えることを知りながらも、走り続けている」というショウリの台詞。

これ、個人的には、SHOCK初見の時に、なんか1番響いたんですよね。その時は本編でキャストも違うんですけど。なんかハッとしました。

やっぱりジャニーさんのこともあって、光一さん的にも、“消えゆくコウイチ像”に対する変化があったような気がします。

カンパニーに想いを託すコウイチに、自分たちに想いを託して旅立っていったジャニーさんを、少し重ねているような、近年のSHOCKでは、このシーンに対する強烈なメッセージ性を感じます。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その15

本編の大桜とEternalの大桜は、全く違う演出というか、本編の大桜は3年前のラストのSHOWの直後、Eternalの大桜は3年後というわけではありません。

そもそも、本編の2幕は全体を通して、コウイチ視点での物語です。

以前映像化されたものに、特典として作ったアナザーストーリーがありますが、本編の2幕はコウイチが息を引き取る瞬間に見たフラッシュ(願望)としてストーリーを作っています。

コウイチが見たフラッシュは『夜の海』のラストまで。

Eternalではコウイチ以外のメンバー視点でストーリーが進行していきます。

コウイチ視点の大桜のシーンは幻想的に。Eternalラストではメンバーから見たリアルなシーン。

視点が違うので見え方や表現は異なっていますが、両作品とも大桜のシーンは3年後の同じ時間軸です。

なのでメンバーの衣装はどちらの作品でも同じ正装です。(白なのでSHOCKの世界の正装ですけどね)

コウイチは3年後ショウリが墓前に来てくれた事で、ようやく前に進めます。『CONTINUE』まで、正装を着れずに彷徨っていたという事です。

堂本光一さんInstagramより

Eternalの3年後ってどこから来たのかと思ったら、本編の大桜のシーンが、そもそも3年後なんですね。これどっかで読んだ気がしないでもないですけど、なんかすっかり忘れていました。20周年の時のパンフレットに書いてありました。

本編の2幕はフラッシュ。大桜はどちらも3年後。頭が弱いので、段々と時間軸が分からなくなってきました…。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点その16

その15で書いたように、最後の『CONTINUE』は、本編もEternalも3年後となります。

ですので途中で言う台詞も、両作品ともコウイチは同じ事を言っています。

わたくし、、、Eternalの2幕、芝居歌以外では、ここまで台詞が一つもありません笑

もっとコウイチ視点の思いなど作る事も考えましたが、非常に野暮になる事、何よりもそれをするとコウイチのキャラじゃなくなるのでやめました。

思い出は時に厳しく、時に優しく、寄り添ってくれます。あのカンパニーはその全てを胸に、コウイチが作った『CONTINUE』の歌と共に、夢は続いていきます。

堂本光一さんInstagramより

この光一さんのdirectionを読んだときに、初めて気づいたんですけど、言われてみれば2幕って、コウイチの台詞がないですね…。

それだけ、歌と仕草でコウイチの感情を表現していたってこと…?

あれだけ台詞や思いを吐露するシーンの多いほかのキャストさんに対して、芝居歌以外のセリフなしでここまで挑んでたの、演技力と表現力が恐ろしくないですか…?

なんかもう推しが凄すぎて怖いんだけど…。

でも、確かに、『Don’t Look Back』と『夜の海』の時、特に思ったんですけど、光一さんのダンスってめちゃくちゃ語ってますよね。

振り付けの1つ1つが、言葉よりも雄弁にコウイチの感情を表現しています。むしろ、言葉よりもダンスの方がコウイチの気持ちを表すのに最適な方法なのではないかと思えてきます。

光一さんが両手を広げると、なんかそっち見ちゃいますもんね。引き寄せられるといいますか。

光一さんって、腕と腕の間の時空を歪ませてるよね?何回観ても、あの空間になんかあるんだけど…。あ、幻覚ですか、そうですか。

あと、光一さんって、自分の着てるお洋服にまで神経伝達させる特殊能力をお持ちですよね?じゃなかったら、あんな綺麗にお召し物がヒラヒラとたなびかないよね?あ、お持ちでない?ただの布?あぁ、そうですか。

Endless SHOCK-Eternal-演出的観点ラスト

オープニングから順を追って書きましたが、ほんの一部分にすぎません。人の動きやダンスに込められたもの、1人1人の台詞に込められたもの、映像や照明の意味合い、はたまたストーリーそのもの。

演出意図は細かくあれど、

『Everything is in your imagination』

これに尽きます。

演者側も根底にあるものを大事にし、その物語を生きていれば、日々違った感情も生まれますし、毎日が発見です。

誰を主体で物語を見るかによっても、かなり違った印象になる筈です。

ただ本編はファンタジー要素が強く、Eternalは現実的な視点での描き方をしているので、哀しさが漂ったものになっています。好みも分かれるでしょう。本当の意味でのハッピーエンドがお好きな方には、現実を突き付けられてしまう感覚になるかもしれません。

ですが彼らは勇気を持って一歩を踏み出し、前に進んでいく未来を選びました。

皆さんにとってのShow Must Go On、走り続ける意味とは何でしょう?

堂本光一さんInstagramより

Everything is in your imagination

作る側と、受け取る側の、適度な距離感っていうんですかね。

本当に、ここに書いてあることなんて、ほんの一部で、ステージに見えないものも含めて、もっといろいろな要素が複雑に組み合わさって、舞台というものは出来上がっているんでしょうし、光一さんも他のキャストさんも、本当に大変な思いで舞台に立ってくれていると思います。

私も光一さんのファンなので、作品のことを全部分かりたいと思うんですけど、でも、無理じゃないですか。堂本光一ではないので。

なので、光一さんの、「自分たちは1番いいステージをお届けするので、あとは勝手に感じてください」という、適度に突き放したスタンスは、個人的に心地の良い距離感だと感じていますし、そこが光一さんの一番好きなところかもしれません。

まとめ

コロナ禍により、着替えスペースの現象によるキャストの削減や客席上空を舞うフライングの中止など、本編を上演することができなくなったために生まれた、「Endless SHOCK-Eternal-」。

当初は、本編の映像を流しながら、キャストと振り返るような、ダイジェストのような内容でしたが、回数を重ねるごとに、「Endless SHOCK-Eternal-」という1つの作品として、完成度がどんどん上がっていきました。

特に、2022年はライバル役ショウリの輝きもあり、Eternalもさらなる進化を遂げたと感じていました。

光一さんの演出にもこだわりが詰まっていたのですね。本当に、コロナ禍用というパッケージにしてしまうのがもったいないくらい、完成度の高い作品に仕上がっているので、これも定番化とまでは言わないから、何か形にならないかなぁ…。

円盤化とか、どうです?東宝さん。

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